活躍した歌舞伎・人形浄瑠璃の劇作家 近松門左衛門
の言葉に、「虚実皮膜論」という芸術論がある。
いわうる世話物と呼ばれる、町人世界の義理や人情を
テーマとした作品によって、浄瑠璃の新しい分野を開拓
した近松であるが、彼の主張は、芸の面白さとは、虚と実
との皮膜、つまり、虚構と現実との微妙な狭間にあると
唱えたのである。」
近松の原文を読んでみると、例えば、浄瑠璃のセリフなども
現実の女性では敢えて言わないことを口にするからこそ、
それがリアルに聞こえるということを説いている。
また、一つの喩え話として、楊貴妃のような絶世の美女でも
現実を想像するからいいのであって、それをリアルに人形
などでコピーすれば百年の恋も冷めるだろうとも書いている。
このことを、私はつい最近、ネットの世界で実感した。
読者諸兄は、アメリカのカリフォルニア州にあるリンデンラボ社
が運営する『セカンドライフ』という仮想社会のサービスをご存知
だろうか?
いわゆるメタバース(仮想社会)といわれる、コンピューター内
に存在する3Dのバーチャルな世界に、自分の分身を作り、
そこでもう一つの人格による2つめの人生を送ることが出来る
サービスだ。
これに似た感覚は、よくオンラインゲームなどですでに実現して
おり、例えば、韓国などではネットカフェで数日間、不眠不休で
ゲームに没頭した若者が急死するような事件も起きているアレで
ある。
2007年7月現在では、公式参加者は800万人を突破しており、
7月13日からは、日本語版サービスも開始されたようだ。
すでに、多くの企業なども、このセカンドライフをマーケティングや
プロモーションに活用しており、日本企業も続々と参加を表明して
いるらしい。
これまでにも、エイチ・アイ・エスや、セシール、ソフトバンクモバイル、
富士通、ユーキャンなどが、積極的に参加しており、今後は三越や
大塚製薬、NTTドコモなども参加予定らしい。
さらに日本テレビでは、セカンドライフ内に専用スタジオを設けて、
出演者がアバターで進行する新番組を全編収録すると発表している。
考えようによっては、ネット通販やEコマースのUGIが3Dになっただけ
だと思えば、さほど、突飛なことでもなく、HP上の商品のアイコンが、
3Dになったと思えば、それほど違和感もないだろう。
現在は、描画能力やアメリカ発のサービスとあって、登場人物なども
非常にバタ臭いのが気になるところだが、そのあたりはすぐに解決
されることと思う。
今後は、リアルな人生よりも、セカンドライフに生き甲斐を見出す
人々も増えてくるかもしれない。
ここにも新しいビジネスの鉱脈が眠っているのかもしれない。
では、また。
【ネットビジネスの最新記事】


